※Tapps’Caféは旧屋号「蹊亭(こみちてい)」がリニューアルした店舗です。


切っても肉汁出てきません。溢れるべきはお皿にではなくお口になのです。
おいしさは味覚だけじゃない
切った瞬間、溢れ出す肉汁。じゅうじゅうと弾ける音。
最高かよ!
視覚も聴覚も脳を刺激します。
うまそう!
美味しいですよね、ハンバーグ。
大好きなメニューのひとつです。
しっかりと肉感があるハンバーグ。
溢れ出る肉汁と合わさって、初めて完成するソース。
かつてはうちも、それを目指していました。
美味しいソースのための美味しい肉汁。
そもそも肉汁ってなに?
肉汁はただの水分ではありません。
旨味、脂、甘みが溶け合った、味のかたまり。
それが肉汁の正体。
そして合い挽き肉を選びました。
うちのハンバーグは、赤身の牛肉7割、豚肉3割の合い挽き肉を使ってます。
牛肉は、焼いたときの香ばしいナッツ系の香りと、噛むほどにじわっと残る重みのある味わい、
つまりは「力強いコク」が持ち味。
そして肉本来の旨味と、すっきりした後味をもとめて赤身を選びました。
豚肉は、旨味成分(イノシン酸)の含有量が牛肉より多く、
アラニンやグリシンといった甘味系のアミノ酸が火入れによって濃縮、
つまりは「まろやかな甘み」が持ち味。
そして、保水性の高さと脂の溶けやすい性質は、肉汁感を高めました。
これらのいいとこどりが「溢れ出す美味しい肉汁を追求」の答え、
つまり、合い挽き肉のハンバーグ。
美味しい肉汁には巡り合えたけど……
そして浮かんだ、ひとつの疑問。
そんなに美味しい肉汁が、皿や鉄板にあふれ出ちゃうって、もったいなくない?
そしてたどりついた、ひとつの結論。
溢れるべきは、お皿にではなく、お口になのです。
それからはたして何回焼いたことか。
どれだけ考えてレシピを作成しても、【焼き】に失敗すれば、美味しい肉汁はとどまってはくれません。
試行錯誤を重ねた【焼き】。
これも美味しいハンバーグを提供するための大事な要素。
肉を感じさせる、しっかりとした食感。
切っても肉汁、出てきません。
懐かしさと進化のハイブリッド
進化を追求したら、結果うちのハンバーグはどこか懐かしい味にたどり着きました。
肉汁ブシャーの派手さはないけれど、
目を閉じて、耳をふさいで食べても美味しいハンバーグ。
これがTapps’Caféの答えなのです。